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刀剣純情伝 《刀剣乱舞/短編集/R18》

第46章 肥前、捻じれた世界へ行く 〔肥前忠広〕


疲労が溜まってきて限界が近付いてくる。

じりじりと遡行軍のやつらがおれを囲んで狭まってきた。





そこへ。



おれややつらの目の前に、五つの輝きが上から舞い降りてきた。

その輝きは地面へついたと思うと眩しい光を発し、まぶしさに目を細めながらおれは何が降りてきたのかと見、光が落ち着いた時には見慣れた刀剣男士五振りが目の前に居た。

「ひぜーん、待たせなぁ」

「ずいぶんがんばったようだね、おれたちに後は任せて」

「どこに行ったのか主がずいぶん探したんだよ」



口々に言われおれは少々気恥ずかしく「うるせぇ」と小さく言い返す。

「それだけ元気ならまだ動けそうだな」

「ああ、出来るさ」



そしておれたちは刀を構えて時間遡行軍の前に立つ。

「どれ、おれたちも相手になるぜぇ」

長い黒髪を揺らし大声で遡行軍へ叫ぶのは和泉守兼定。

「肥前くん、きみは思ったより手が掛かるようだね」

先生にそんな事は言われたくなかったとおれは苦笑した。

「変わったとこみたいだね、ここ」

大和守安定が周辺を見回しながら刀を正眼に構える。
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