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刀剣純情伝 《刀剣乱舞/短編集/R18》

第46章 肥前、捻じれた世界へ行く 〔肥前忠広〕


本丸なら燭台切か歌仙あたりが料理人で、経営者は博多だろう。

そんな事を思い出し、たった数日本丸を離れているだけなのに、懐かしく思ったのも束の間。

学園内のどこからか叫び声が聞こえてきた。

そちらに向かって生徒たちが走っていくので、おれもそれについて行った。

「おいっ、なんだっ」

「やべーよ、あいつら」

「魔法が効かないじゃん」

生徒たちが口々に叫んでいる声を拾いながらその場所へ到着する。



果たして、そこに居たのは、何故か時間遡行軍だった。

魔法が効かないはずだ、やつらは時空を超える事が出来るのだから。

やつらは前へ横へと進みながら生徒を掴まえ、生徒たちの構えていた、石が付いた魔法を使うためのペンのようなものを奪う。


「…かえ…せ…」


倒れている生徒がそれでも自分のペンを取り返そうとするものの、時間遡行軍は無言でそのペンを奪っていく。


「先生を早く呼べ!」


「上級生の魔法すら効かないぞ」



魔法が効かないことにパニックを起こした生徒たちが、泣きわめき騒然とした状態となった。
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