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刀剣純情伝 《刀剣乱舞/短編集/R18》

第45章 ××しないと出られない部屋その4 〔南泉一文字/R18〕


「あれ?開かない?」

引き戸に手を掛け審神者である主が戸を開けようとするものの、いつもならするりと開く戸が全く動く様子が無かった。

「どうしたにゃ」

探しものをするため一緒に来てもらった南泉一文字が、奥から主の探しものの本を数冊持って歩いてきた。

「どうしよう。開かないの」

「開かない?ちょっとこれ、持ってて」

南泉は持っていた本を主に渡して位置を主と入れ替わる。

戸に手を掛けするりと開く。

と思ったのに全く戸は動かず、南泉は「ふぬぬ…」と全身ちからをいれて戸を開ける事に奮闘するものの、戸は全く動く様子はなかった。

「開かないにゃあ」

ぜいはぁと息を吐いて南泉は戸から離れる。

「どうしよう…誰かここに来ているのを気付いてくれると良いんだけど…」

主も困ったな、とためいきをつき、そして戸の隅に落ちている紙に気付く。

「あれ?あんな紙、落ちてた?」

「紙?」

主はそちらへ歩み、その紙を拾って広げて中身を読んだものの、みるみるうちに顔を赤くした。
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