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刀剣純情伝 《刀剣乱舞/短編集/R18》

第44章 ××しないと出られない部屋その3 〔五虎退〕


「あ…虎さん、ミルクいただいたんですね…ありがとうございます、主さま」

入ってきた五虎退くんは、虎さんの様子を見てこちらに礼を言ってくれる。

「いいのよ、気にしないで。それより五虎退くんもお茶にしましょう」

既に準備しておいたお茶を注ぎカップを目の前に置き、用意しておいたお菓子も出した。

「これ、現代遠征した膝丸さんが買ってきてくれたんだ。美味しいよ」

「わぁ、美味しそうです、いただきます」

ぱくりと食べる五虎退くんの姿はとても愛らしく、短刀たちは私より本当は長く時を過ごしているのだけれど、見た目は弟としか見えない。

私がもう少し年を経た審神者になったら、こどもとか孫のように思うのかなぁ、と未来を想像してしまった。

「さっきの衣装交換、五虎退くん、似合ってたね」

思い出して言うと五虎退くんはむせてしまう。

「あぁ、ごめんね、食べてる時に」

慌てて私も五虎退くんの背中をさすると小さな背中が震えた。

そしてミルクを飲んだ虎さんも心配するように、五虎退くんの顔に擦りよる。

「虎さんも心配しちゃったね、ごめんね」

私が大声をあげたせいで五虎退くんがむせてしまったので、虎さんにも謝る。

「主さまのせいじゃないです…気にしないでください…」

ぽそぽそと話す五虎退くんは極めて強くなったはずなのに、今でも本当に可愛い。
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