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刀剣純情伝 《刀剣乱舞/短編集/R18》

第44章 ××しないと出られない部屋その3 〔五虎退〕


「は…はい…」

私の衣装のサイズ違いのものを五虎退くんに渡し、私は隅に行って五虎退くんの大きい衣装を眺めて着替え始めた。

最後に帽子をぽんと頭の上に乗せると、五虎退くんのコスプレをした私が出来上がった。



「…あの…出来ました…」

五虎退くんの声がしてそちらを見やると、私と同じ服を身に着けた五虎退くんが立っていたのだけど…

「やだぁ、五虎退くん、可愛い!」

つい大声で叫んでしまい、五虎退くんは驚いてびくりと全身で震える。

「あぁ、ごめんね、大声出して。虎さんも、五虎退くん可愛いと思うでしょ?」

隣にいる大きな虎にも言うと、ちらりと五虎退くんを見て同意したように、すりすりと頭を五虎退くんにすりよせた。

「五虎退くんのその姿を見たら、一期さんが倒れそうね」

弟たちを溺愛する一期一振さんが、コスプレした可愛い五虎退くんの姿を見たら、写真を撮って、と大騒ぎした挙句倒れるところまで想像して、吹き出してしまった。

「そ、そんなこと…ないです…」

小さく五虎退くんは否定する。

そこへカチャリと入口から音がして、かかっていた鍵が外れたようだった。

「あ、外れたね、出よう」

ガラリと引き戸を開け、五虎退くんと虎さんと私が外へ出ると、閉まっていて開かない事に気付いていた男士たちが集まっていた。
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