第44章 ××しないと出られない部屋その3 〔五虎退〕
すると五虎退は違う反応を返してきた。
「あの…あれ…」
指を指す方向に顔を向けると、いつの間にこの部屋にこんな幕を張ったのだろう、大きく『互いの衣装を着ないと出られない部屋』と書かれたものが目に入った。
「…は…?え…?な、なに…?いつの間に…?」
こんなの前にこの部屋に来た時は無かったはず…一体どういう事?
私が呆然としていると五虎退くんが何か持ってきた。
「あの…これ…」
手にしたものを見せてもらい広げてみると、私と五虎退くんの衣装だった。
でも私のものは普段のものに比べるとサイズが明らかに小さく、五虎退くんの衣装はいつもより明らかに大きかった。
つまり五虎退くんが着られるサイズと、私が着られるサイズって事。
聞いた事のある、この○○しないと出られない部屋は、審神者と男士の間で無茶振りされる部屋として有名で、この衣装交換くらいなら可愛いもの。
他にはキスしろとかセ…セッ…ゲヘン、えっちしろとかまぁとんでもないものもあって、演練で会った審神者様がたから男士とえっちしたなんて話しをたまに聞く。
でも不思議なのは、えっちしたのが嫌そうに思えないこと。
恍惚とした表情でそれをのろけるように話してくるから、私には目…もとい耳の毒。
だから私は衣装交換で済んで本当に良かったと思って言った。
「よし、さっと着替えよう?私、あっちの隅で着替えるから、五虎退くん、そっちでどうぞ」