第41章 愛はこれから 〔大倶利伽羅/R18〕
「…鈍感じゃないもん」
とりあえず言い返すと、ふん、と大倶利伽羅さんは私を胸に抱き締めたまま言ってきた。
「俺が好きだって今になって気付いたんだろう?じゅうぶん鈍感だ」
「…どうして…」
そのままむっとして問い直すと、大倶利伽羅さんは「は」とほんの少し笑う。
「俺が言うのもおかしいが、俺があんたを抱いてから、あんた他の男士を近付けてないんだろう?それまで言い寄られれば、誰でも相手になっていたあんたがそれをしなくなった、つまり俺が特別になった…違うか?」
言われてみれば、確かにそうだけど…
「俺もまぁ気付かず、周囲から言われて気付いたんだがな」
大倶利伽羅さんは私を少し胸から離すと、片手で私の顎を掴んで顔をあげさせる。
至近距離で大倶利伽羅さんの顔が有り、私は恥ずかしくて自分の目を泳がせてしまう。
「あんたに言われて俺も気付いた。俺もあんたが気に入っている」
私は泳がせていた目を大倶利伽羅さんの目と合わせた。
「あの…それは…」
私の言葉に大倶利伽羅さんは答えてくれる。
「俺も、あんたが、好きだ」
なんで、どうして?でも、好き、と言われた瞬間、胸が熱くなって嬉しくてしかたなかった。
今迄だって他の人から「好き」とか「愛してる」って言われた事があるけれど、「ふぅん、ありがとう」と思うだけでこんなふうになった事はなかった…