第41章 愛はこれから 〔大倶利伽羅/R18〕
「ね、それ、どういう事?」
どうしてもわからなくて清光くんに聞くけれど、清光くんにはぐらかされる。
「えー、どうしようかなー、勿体ないなぁ。案外、主って鈍感って事がわかったけど」
鈍感って言われたぁ、と私は頬をふくらませるけれど、清光くんは私を見てげらげら笑い出して話しにならなかった。
でも、なんだろう、何だか見守られるような、この感じ。
鶴丸さんも「早く気付いたほうが良いぞ」と、何やら含んでくるから「教えてよ」とねだってみる。
「それは自分で気付かないとな」
カラカラと笑って鶴丸さんは教えてくれない。
悪い事ではなさそうだけど、私は何が起きているのかわからないまま数日過ごし、近侍に大倶利伽羅さんがなって、ようやく、自分に何が起きたのか気付いたのだった。
「今日は俺が近侍だ」
障子を開けて大倶利伽羅さんの姿を見た瞬間、自分の顔がぼぅと熱くなるのを感じた。
「どうした?顔が赤い。熱でもあるのか?」
こちらを見た大倶利伽羅さんが手を止め、浅黒い腕を伸ばし私の額に触れそうになる。
途端、何故か私は身を引き、焦って言った。
「だっ…だっ…だいじょうぶっ…!なんでも、ない…っ」
今迄なら普通に額に誰が触れても気にしないのに、何故自分がこんな態度をとるのか、自分で不思議に思う。