第40章 ガニュメデスの拘束 〔明石国行/R18〕
そういう意味ではないとは思いつつも聞いてみると、意外な言葉が返ってくる。
「あー、ゼウスっておとこもおんなも、とにかく綺麗な子が好きだったみたいよ?」
ただのスケベで好き者やないですか。
「んで、そのみずがめ座と自分らが何か関係あるんです?」
自分はまた、すり、と首筋に唇を這わせると、主はんは少しからだを震わせる。
「あ…ちょ、と…」
主はんの戸惑う声が漏れるものの、自分は動きを止めるつもりは、もう、無い。
「あきまへん。自分をこうして誘ってきたのは、主はん…いや、雅はん」
顔を離し、じっと主はんの顔を至近距離で見つめると、赤くなった顔をこれ以上赤く出来るのかという程赤くした主はんが、少し目線を下に向ける。
「…恥ずかし…」
返事で自分が許された事を知り、自分は立ち上がりながら主はんの背中と膝裏に腕を回し、華奢なからだを抱き上げる。
「…グラス…」
飲んで置きっぱなしの梅酒のグラスに気付いて主はんが口に出すので、自分はもう一度しゃがむと主はんは手を伸ばして自分でそれらを拾った。
「…ありがとう…」
「礼はこの後、もらいまひょ」
小さく答える主はんの額に軽くキスして自分が言うと、主はんはもじもじとした表情を見せるので、自分は主はんを抱えたまま主はんの部屋へ足を向けた。