• テキストサイズ

刀剣純情伝 《刀剣乱舞/短編集/R18》

第39章 出会いは不思議を運ぶ 〔乱藤四郎〕


「およめさんですか…それは盲点でした。種族が違いますし、それは有り得ませんよ」

アズールが笑顔で言うけれど、その笑顔がなんとなく怖いのは気のせいかな。

うすら寒いというか、本心を隠したその笑顔は、得意とする男士がいるからなぁ…

「その雅さんは今は何をしているのですか?」

ジェイドが穏やかに聞いてきたので、ぼくは連れて行かれたら困る、と説明した。

「ぼくたち刀剣男士を束ねるお仕事をしているの。だから連れて行ったらだめ。主さんが居ないとぼくたちはやっていかれないから」

「トウケンダンシ…とは…?」

アズールに質問される。

「ぼくたちは本当のヒトじゃないの。本来は刀なの。悪いやつがいて、歴史を改変しようと企んでいるから、ぼくたち刀がヒトとして顕現して悪いやつと戦ってるの」

「刀ってあの刀ぁ?」

フロイドが両手で何かを握って袈裟斬りする真似をしたので、ぼくはこくこくと頷いた。

「ではミダレさん、貴方もヒトではなく、そのトウケンダンシという存在なのですか?」

ジェイドに聞かれて、やはりまたこくこくと頷いた。

「なかなか雅さんは、難しいお仕事をしていらっしゃるようなのですね…」

アズールがふぅと息を吐いて、そして周りを見回した。

「おや、話しをしていたらこんなに陸に近付いてしまいました。おまえたち、そろそろ離れましょう。ミダレさん、ありがとうございます。おかげであの時の、あの子の様子を知る事が出来ました」
/ 790ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp