第39章 出会いは不思議を運ぶ 〔乱藤四郎〕
ぼくはふと気付く。
主さんのタコの人魚とヘビの人魚…もしかして、主さんを助けた人魚たちって…
「もしかして、同じように流されたおんなのこを何年か前に助けた事ある?」
ぼくが聞くとアズールが目を見開く。
「じゃあ、ミダレさん、あの子を知っているんですか?」
「ぼく、貴方たちの事、主さんから話しを聞いたよ?」
「あの子の名前、アルジさんって言うんですか?」
ジェイドが聞いてきたので、ぼくは首をぶんぶんと左右に振る。
「違う、違う。職業柄そう呼ばれているだけで、本当の名前は雅って言うんだよ」
「雅さんってお名前なのですか」
ジェイドが主さんの名前を繰り返し、ぼくは自分が主さんに言った事を思い出して、けん制するように言った。
「あのさ、主さんを探している訳じゃないよね?」
「どういう事ぉ?」
ぼくの言葉にフロイドが反応する。
「主さんを探して、貴方たち誰かのおよめさんにするとか、ないよね?主さんは駄目だからね。あげないよ。だってぼくたち刀剣男士をまとめてくれる審神者なんだから」
ぼくは主さんはあげない、とまくしたててしまう。
ぼくの言葉に三人は、間をおいて、そして笑った。