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刀剣純情伝 《刀剣乱舞/短編集/R18》

第39章 出会いは不思議を運ぶ 〔乱藤四郎〕


「俺、フロイド。あっちはジェイドだよぉ」

「乱…藤四郎…です…」

「ミダレトウシロウ…?ふぅん、ミダレさん、貴方、ずいぶん沖へ出てますけれど、自分がどういう状況かわかってますか?」

アズールに問われ、泳ぐ前に長谷部に言われていた事を反芻する。

「ええと、そう…波にもっていかれないようにって注意されてたんだ…でもうっかりしていて気が付いたらここまで流されちゃった…」

「貴方がご一緒に来ているかたに姿を見せるのは、ぼくたちは本意ではありません。ですから途中まで貴方を戻しましょう」

「あのさぁ、俺たちのこと、誰にも言っちゃ、駄目だよぉ?」

ヘビ…じゃなくてウツボの人魚たちに言われ、ぼくはぶんぶんと頷いた。

そこへウツボの人魚ジェイドがぼくへ顔を寄せたと思うと、すんすんと匂いを嗅がれた。

「この匂い…あの子の匂いがします」

「え?あの子ってあの時のぉ?」

もうひとりのフロイドもぼくに顔を寄せて匂いを嗅いでくる。

なんというか、ぼくたち刀剣男士って自分で言うのも何だけど、結構顔が良いんだ。

でも、この人魚たちも顔はすごく良いんだよね。

その顔が良い人魚たちがぼくの匂いを嗅ぐの、想像してくれる?

結構恥ずかしいものがあるよ…

ぼくの匂いを嗅ぎまくった人魚たちは、口々に「ほんとうだ、あの子だ」と言いあった。
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