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刀剣純情伝 《刀剣乱舞/短編集/R18》

第39章 出会いは不思議を運ぶ 〔乱藤四郎〕


ぼくは沈みながらぼんやり別れの挨拶をしていると、あの影が近付いてきた。

鮫…じゃなくて、ええと、足がたくさんあって、これってイカかタコ…だよね…

なんかこのタコやたら大きいし、真ん中がヒトと同じ顔なんだけど…

これってオバケかな…

「勝手にオバケにしないでください」

はっきりとでっかいタコのオバケが口をきいた。

なんで言葉が通じているんだろう…

沈みながら、このタコに食べられちゃうんだ、と意識が無くなりそうになったところで、ふわりと何かがぼくの下に入り込み、ぼくを上に引き上げてくれていると気付く。

「可愛いねぇ、絞めていぃ?」

「お止めなさい、死んでしまいますよ」

なんか、また違う声が聞こえてくる。

薄れていく意識を引き上げ、目をようやく開けてみると、タコのオバケの他にヘビみたいなオバケが二匹。

うち一匹がぼくを背に乗せて引き上げてくれていた。

「ひょろひょろでちっさいなぁ」

「どうみてもまだこどもですからね」

ヘビのオバケも会話している…ぼく、頭、おかしくなったかな…

ざばり、と音をたてて僕は海上へ引き上げられ、ぼくはぜいぜいとヘビの背に乗ったまま息をつく。
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