第38章 愛も、戦いも、そして笑顔も。 〔同田貫正国/R18〕
わかっているのかねぇ、呑気な笑顔と言葉に俺は片眉をひそめるが、自分で気付かねぇとどうにもならんだろうな、とそれ以上余計な事を言うのを止めた。
俺の部屋が手前にあるので、先に障子を開けて部屋へ入ろうとした。
「おやすみなさい、同田貫さん、おつかれさまでした」
俺にぺこりと頭を下げる雅に、俺も小さく頷き「おやすみ」と言って障子を閉めた。
ぱたぱたと足音が次第に小さくなって聞こえなくなり、俺も既に休んでいる御手杵を起こさないように静かに着替えると横になった。
それから数日してとうとう俺の初出陣がやってきた。
長谷部は俺の出陣を「まだ早い」と反対したらしいが、出陣先がそれほどレベルが高くなくても大丈夫らしいのと、他は高いスキルを持った男士で揃える事で俺が出陣出来るよう雅が計らってくれたそうだ。
「主の気遣いに感謝するんだな」
出陣する六振りの名を挙げながら、長谷部が恩着せがましく俺に言ってきたが、俺は長谷部を一瞥しただけで何も言わなかった。
感謝するなら直接雅に言うさ、そう、内心思ったからだ。
出陣の支度を整えて六振りが集まり、雅のあの霊力を受け取って出陣する。
その出陣先には時間遡行軍が六体いて、脇差ばかりだった。
「お、やったな、脇差六体だな」
御手杵が嬉しそうに言うので俺が隣で「どうしてだ?」と聞く。
「脇差六体の部隊を倒すと、俺たちのレベルが普段より上がりやすいんだ」
そんなの誰からも聞いてねぇし、初めて知ったな。