第38章 愛も、戦いも、そして笑顔も。 〔同田貫正国/R18〕
「んで、近侍の同田貫はどこへ行くの?」
「あぁ?早く出陣したいからな、鍛錬してくるさ。主の許可も取ってるぞ」
ふぅん、と加州は納得した表情を見せたので、俺はそのまま鍛錬場へ向かった。
数時間、自分だけだったり、来た男士を捕まえて相手になってもらったりして汗をかいた。
「あぁ、風呂は気持ち良いなぁ、カッカッカ」
汗を流すために風呂場へ行くと、先程手合わせした山伏国広が先に入浴していた。
「おお、同田貫正国か。汗をかいた後の風呂は気持ち良いぞ」
鍛錬の成果が出ている山伏のからだは、よく引き締まってたくましい。
レベルもかなり高いのだが、しかし今回は留守役なのは何でなのか。
俺は隣でからだを洗う山伏に聞く。
「ん?拙僧が何故遠征に出ていないか?」
カッカッカッと笑いながら教えてくれる。
「今回の遠征は特殊でな、編成ひとつでどの状況でも対応出来ないとならない。拙僧のような太刀は夜が全く駄目だが、夜戦も可能性としてあるから太刀は留守なのだ。出掛けた顔ぶれを思い出してみよ、打刀と脇差と短刀であろう?」
そういえば出掛けているのは打刀と脇差と、そして短刀。
「四部隊それぞれがほぼ同格のちからを持ち、どのような状況でも戦える編成を作らねばならぬからな、長谷部や主もかなり苦労したと思うぞ」
「近侍は出陣の編成作業もするのか?」
俺は洗ったからだに湯を掛けながら山伏に聞いた。