第38章 愛も、戦いも、そして笑顔も。 〔同田貫正国/R18〕
加州の言葉に俺も質問する。
「それ、どういう事だ?」
すると加州は肩をすくめながら言う。
「簡単だよ。主ってあんまり俺たちと接触しようとしないでしょ。俺たちは先代から引き継いだ刀だから、警戒しているのかなって思ってさ」
おいおい、それって、いわゆるコミュニケーションが取れてねぇって事じゃねえのか?
面倒な話しを聞いちまったな、と俺は内心思ったものの、放っておくわけにもいかず加州に言った。
「それ、誤解だと思うぜ。あの主は反対に、前の審神者があまりに人格者だったから、自分があまりに出来なくて申し訳ないって思っているようだからな」
俺の言葉に加州は目を見開く。
「えー、何、それ。俺たち、前の主と比べてなんて無いのになぁ」
俺は面倒臭くなって後頭部を掻きながら言った。
「だったら、今、雅は暇しているから遊びに行ってやれば良いんじゃねぇか」
「暇なの?主?」
「あぁ、今日、俺が近侍なんだが長谷部が遠征出る前に仕事を片付けていったらしく、ほとんどやる事が無いから好きにして良いって言われたところだ」
「ふーん、じゃあ、早速遊びに行こうかな」
途端に加州は弾むような口調に変わる。
「そうしてやってくれ」と俺が答えると、加州がまた問うてきた。