第38章 愛も、戦いも、そして笑顔も。 〔同田貫正国/R18〕
その言うと押し入れへ近付き襖を開いて布団を下ろそうとするので、俺はまた「ちっ」と舌打ちして部屋へ入った。
「こんくらいは俺にさせろってぇの」
俺は布団を下ろすと「ここで良いのか?」と布団を敷いてやった。
「…ありがとうございます、お手をわずらわせてすみません…」
小さく弱々しく礼を口にする雅を見ると、顔色が悪いように見えた。
「あんた、顔色が悪いな」
俺が思った事をそのまま口にすると、雅は小さく笑う。
「さすがに24振りに霊力を送って疲れました…着替えるのでもう一人で大丈夫です」
「…何かあったらすぐ誰か呼べよ?」
着替えまで手伝う訳にはいかないから、俺は言葉を残して部屋を出た。
そのまま思い立って粟田口の部屋へ行き、短刀の中でも早くからこの本丸にいるという前田藤四郎を呼び出して、さっき霊力を使って雅が疲れている事を伝えてやる。
「着替えるというから俺は部屋を出てきたから、後はどうなったかわからん」
「わかりました、教えてくださりありがとうございます」
前田藤四郎はおとなびた対応で俺に礼を言うと、てきぱきと兄である一期一振に話しをし、前田と平野藤四郎の二振りで審神者部屋へ向かっていった。
それを見て後は大丈夫か、と俺も部屋へ戻った。
しばらくして俺の部屋へ平野藤四郎がやって来た。
「主様は先程おやすみになられました」