第38章 愛も、戦いも、そして笑顔も。 〔同田貫正国/R18〕
男士たちとは割りと打ち解けていく中、どうしても主たる雅となかなかなじめない。
俺がああいう弱々しいのが苦手なのもあるだろう。
雅も何となく俺の事を苦手なように思えるのは気のせいか。
馬当番や畑当番、刀剣がこんな事をするのかと思う仕事もあるが、慣れてくると他の男士たちとのヒトの姿の生活も楽しめるようになってきていた。
ある日、連隊戦と言って、一気に四部隊が遠征する事になり、本丸の男士が少なくなった。
「連隊戦?あれはそれなりにレベルの高い男士でないと戦えないんだ。だから四部隊24振りはこの本丸の中でも強いのを揃えていくんだ」
どういう基準で出陣する男士を選んでいるのか聞いてみると、御手杵は嫌な顔をせず教えてくれる。
「まぁ、かといってこの本丸をまだまだな男士だけにする訳にはいかないからな、かなり強いのは残ってるぜ」
そう言って名を挙げるのは、三日月宗近、鶴丸国永、燭台切光忠、一期一振…彼等はこの本丸でも特に強いらしい。
「あー、へし切長谷部はどうして出陣するんだ?」
ふと思って聞く。
確か主の一番の近侍だと聞いているが、近侍が長期間離れていいものかね。
「ああ、長谷部は極めたからな」
「極めた?」
「あんたもいつかはそうなるが、打刀は強くなると修行に出て極めるんだ。極めて戻ってくると今迄以上に強くなる。長谷部のいる部隊はそういう連中の部隊なんだ」