第37章 とある本丸がとある本丸になる前に 〔堀川国広/R18〕
朝餉の後、一緒に主の部屋へ行き、ぼくが部屋を開けると雅さんはぼくを引っ張って中へ入る。
そして軽く手を襖にかざす。
「昨日みたいに中に入られないように結界を張ったの。私が出来るのはほんの少しだけだけどね」
そしてくるりと振り向くと雅さんは、何故かぼくに抱き着いてきた。
「…夜、私とシたの、堀川くんでしょう?」
「…どうして…」
ぼくは驚いて、抱き着く雅さんを見つめる。
雅さんはぼくの肩に顔を押しつけて続けて言う。
「起きてから、部屋に残るちからを探したら貴方だったの。私は兄と比べると能力は格段に落ちるけれど、だから私にしか出来ない事もあるの」
そして、そのままぼくに抱き着いて雅さんは言う。
「今なら誰も来られないから、もう一回シて?薬がまだ残ってるみたいなの」
ぼくは瞬時の背中に汗が一筋流れるのを感じる。
何故、薬の事を知っているのだろう。
ぼくのからだが反応して硬直した事から気付いたのだろう、雅さんは顔をあげてぼくを見て言う。
「脅しているわけじゃないの。むしろ私は男性経験が無くて気になっていたから、薬を使って気持ち良くなれたから…」
そして、自分の言葉に気付いたらしく続ける。