第6章 愛は咲く 〔一期一振/R18〕
一期からのキスに私の心は真っ白になる。
唇を離した一期は私の目をまっすぐに見た。
「私はあの審神者殿に薬を盛られ、からだの自由を妨げられていました。雅が見た時も薬で毎晩のようにおかしくされて、精神的に限界だったのです。よりによって一番見られたくない雅、貴女に見られた。私は恥ずかしさとみっともなさで審神者殿に抵抗し、そして霊力を奪われ動けなくなってしまったのを、昨夜貴女に助けられたのです」
「そう…だったんだ…早く迎えにこなくて…ごめんね…」
私は涙をとうとう我慢しきれず、泣きながら一期に謝った。
私を見て一期は驚いたように私の泣き顔にキスを落とす。
「雅…貴女が来てくれ、助けてくれた…感謝すればこそ、遅いなんて事ありませんよ」
「でも…だって…あんなに弱って、死んじゃうかと思ったんだもん…」
「私が死ぬのは刀の姿を壊された時ですよ」
私の言にくすりと一期は笑う。
「それより、泣くのは止めて…昨日のお返しを私はしたいのです」
一期の片手が私の頬を撫で、涙をすくう。
そして、一期の端正な顔が近付き、唇にまたキスを落とされる。
「刀剣がこんな事を言っていいのか…でも言わせてください…雅…愛してます」
私は涙で汚れたひどい顔をしているだろう。
でも、たった今。
誰よりも一番、聞きたかった言葉を。
言って欲しい人から。
言ってもらえた。