• テキストサイズ

刀剣純情伝 《刀剣乱舞/短編集/R18》

第6章 愛は咲く 〔一期一振/R18〕


一期からのキスに私の心は真っ白になる。

唇を離した一期は私の目をまっすぐに見た。

「私はあの審神者殿に薬を盛られ、からだの自由を妨げられていました。雅が見た時も薬で毎晩のようにおかしくされて、精神的に限界だったのです。よりによって一番見られたくない雅、貴女に見られた。私は恥ずかしさとみっともなさで審神者殿に抵抗し、そして霊力を奪われ動けなくなってしまったのを、昨夜貴女に助けられたのです」

「そう…だったんだ…早く迎えにこなくて…ごめんね…」

私は涙をとうとう我慢しきれず、泣きながら一期に謝った。

私を見て一期は驚いたように私の泣き顔にキスを落とす。

「雅…貴女が来てくれ、助けてくれた…感謝すればこそ、遅いなんて事ありませんよ」

「でも…だって…あんなに弱って、死んじゃうかと思ったんだもん…」

「私が死ぬのは刀の姿を壊された時ですよ」

私の言にくすりと一期は笑う。

「それより、泣くのは止めて…昨日のお返しを私はしたいのです」

一期の片手が私の頬を撫で、涙をすくう。

そして、一期の端正な顔が近付き、唇にまたキスを落とされる。

「刀剣がこんな事を言っていいのか…でも言わせてください…雅…愛してます」

私は涙で汚れたひどい顔をしているだろう。

でも、たった今。

誰よりも一番、聞きたかった言葉を。

言って欲しい人から。

言ってもらえた。
/ 790ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp