第6章 愛は咲く 〔一期一振/R18〕
私はどうして礼を言われたのかわからず、そのまま一期の顔を見つめる。
「からだが弱って動かなかったけれど、あの監禁されていた部屋から助けられて、昨夜霊力を送られたのも知っていた。でもとにかく動けなくてどうにも出来なかったんだ」
監禁された部屋から助けられたの、知っていたんだ。
この部屋で私が霊力を送るためにした事も…つまり、知っていたって事?
私は何をしたのか思い出し、顔が火照るほど恥ずかしくて一期から逃れようとするけれど、しっかり抱き締められていて動く事すら出来ずにいた。
「えっと…あの…その…」
一期は笑みを浮かべたまま体勢を変え、私を布団に押し付け自分は私に覆いかぶさるように上から私を見下した。
「…雅…今度は私から…良いですね」
「…一期っ…その…からだはまだ…」
恥ずかしくて目を泳がせながら一期の体調を気遣うけれど、一期の顔がそのまま私の首筋に近寄り、首に吸い付かれた。
「うふ…ん…」
「雅…私のものになってくれますか」
吸い付いた首から離れた一期の顔は、熱を持ったおとこの顔だった。
私は昨夜のみじめな姿を思い出し、泣きそうになりながら小さく答える。
「私で…いい、の…?」
その瞬間、一期の顔が近寄り、キスをされた。