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刀剣純情伝 《刀剣乱舞/短編集/R18》

第34章 誰も知らぬ過去 〔不知火空抄〕


「はい…ぼくの前の持ち主が…よく、ぼくを相棒と呼んで…今みたいに…撫でてくれたんです…すごく似ていて…ぼく、思い出して…」

ぼくの言葉に部屋から出てきた男士のひとりが、ぼくの顔を手拭いで拭いてくれる。

「あーあ、長曽祢さん、小さい子、苛めたら駄目でしょ」

「だからー違うって。今の、聞いただろう?」

笑いながらぼくを拭いてくれる男士は長曽祢虎徹をからかい、長曽祢虎徹は真面目にそのからかいを否定する。

「はい、良いよ」

ぼくの顔を拭いてくれた男士から声を掛けられ、ぼくは礼を言う。

「あの…ありがとうございます」

「んで、きみは何て言うの?」

「あぁ、それを忘れてた。この子は不知火空抄。以前日輪刀だった、不知火のたった一振りの刀だそうだ。俺のところで預かる事にした」

ぼくの名前を聞いて、ぼくを見ていたみんなの表情が変わった。

「へぇ。日輪刀って本当に存在したんだ。すごいな」

「それより不知火の刀が残っていたって、幻と言っていい刀なのに、よく見付かったな」

「って事は、前の持ち主って鬼を退治していた鬼殺隊(きさつたい)なのか?」

一気に言われぼくは戸惑うが、最後の言葉にぼくは反応する。

「そうです。ぼくの持ち主は炎柱と呼ばれたヒトでした」

ぼくの言葉に全員が感心したような眼差しを見せるので、ぼくは更に戸惑う。
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