第33章 すいーつ王子の甘い指導 〔小豆長光/R18〕
「…へっ…え…と…」
いきなり引き寄せられ抱き締められる主は何が起きたのかわからず、おかしな声を上げ目をぱちくりさせる。
小豆は主の肩口に顔を埋め低音の小声で囁くように言う。
「主…いや、今日は雅と呼ぼう…私をおとことして見てもらいたい…」
背中がぞわりとするように自分の名前を呼ばれる。
「…あ…ず…き…」
片方の手が主の後頭部を優しく何度も撫で、落ち着かせているのだと気付く。
抱き締められたままの主は段々と落ち着きつつ、そして今の状況を正確に理解する。
『ええと…タッパァの中味がよくわからなくて見ようとしたら、引っ張られて抱き締められたんだよね…んで、小豆さん、何て言ったっけ…自分をおとことして見て欲しい…って…それって…』
完全に状況を理解した主は途端、全身が赤くなるような感覚を覚える。
『そうだよね…間違ってない、よね…つまり、小豆さんは私とセックスしたいって事…だよね…タッパァのお菓子はいつ食べるのかな…?』
冷静に状況を把握しながら、何故かタッパァの中味が気になって仕方ない。
「あの、小豆さん…状況を理解しましたけれど、それの中、何が入っているんですか…?」
気になってとうとう主は質問すると、小豆は小さくふ、と笑った。
「これは、今から私たちがすることに使うもの、なのだよ」
確かお菓子と言ったはずなのに、小豆の答えは「これから使う…?」と全く想像のつかないもので、主は抱き締められたまま首を傾げた。