第33章 すいーつ王子の甘い指導 〔小豆長光/R18〕
主を抱いたまま小豆はタッパァを手に取り蓋を開けた。
ぱか、と音がし、中には白いふわふわしたものが入っていた。
「…せっけん??」
どう見てもせっけんを泡立てたものにしか見えない主はまゆをひそめるが、小豆は小さくくすりと笑う。
「…めれんげ、というものだ」
「…メレンゲ…」
小豆の言ったものを繰り返し口にして主はようやく理解した。
しかし一体これを何に使うんだろう、とやはり主は未だに理解出来ず更にまゆをひそめていた。
すると小豆はまたメレンゲの入ったタッパァを茶卓へ置き、空いた手で主のあごをすくった。
「口付けても…良い、だろうか…」
おずおずと何故か問うように小豆が聞いてきて、主は断ったらどうなるんだろう、と思いそのままその疑問を口にした。
「…嫌だって言ったら、どうするの?」
小豆は主のあごをすくったままその質問をされ、困ったような表情を見せた。
「それは困ったな…雅は私が相手では嫌なのか?」
ずるいなぁ、と主は問いに問いで返されるその内容に思う。
けして嫌ではなく、『嫌』と答えたらどうするか知りたかった、だけな主は少し微笑んだ。
「…いいよ。キス、して…」