• テキストサイズ

刀剣純情伝 《刀剣乱舞/短編集/R18》

第6章 愛は咲く 〔一期一振/R18〕


彼女は持っていた扇を開いて、私に扇ぐようにこちらに風を送ってきた。

彼女のつける香水が、風とともに強烈に香ってきて、そのきつい匂いにくらりとする。

でも…それは本当?一期から聞いたなら諦めるから、だから、私は言い返した。

「先輩審神者様でもお断りします」

顔をあげて、しっかりと彼女を見て断る。

「本人の口から残りたいという意思を聞いたなら別ですが、そうではなく会いもせずに帰れと言われても帰れません。一期に会わせてください」

「はぁ?何なの、生意気な。会わせないわよ、あれはもう私のものなんだから」

「勝手に貴女のものにしないでください。一期は一期です。私のものでもありませんから!」

私は腹が立って怒鳴る。

刀剣男士たちは自分のもの?貴女はなにさまなの?

違うでしょ?彼等は彼等。

あくまで審神者は刀剣を励起(れいき)させる者。

私がそう言うと、彼女は高らかに笑った。

「あんた、バカね。刀剣は物よ。私に嫌われたら刀剣は潰される。だからあいつらは私に嫌われないようにする為に必死。面白いわよね?私はこの本丸で一番偉いのよ。あんたもそうでしょ?それに刀剣たちは顔の良いおとこばかりだから、毎日の相手に困らないしね」

「…ちっ…違います、あのかたたちは付喪神…神様です。神様にそんな事言うなんて…」

私が叫ぶように彼女の言葉を否定すると、彼女は赤く塗られた唇を歪めて言った。

「あんた、許せない。先輩審神者である私に盾突くつもりね。処罰してやるわ」
/ 790ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp