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刀剣純情伝 《刀剣乱舞/短編集/R18》

第32章 夜を独り占め 〔膝丸/R18〕


「今の外の会話が気になるんじゃないか?刀剣男士の風俗について」

完全に顔を真っ赤にする主は、固まったままこちらを見たもののぎこちなくこっくりと頷く。

「…聞いた事はあるよ…そういうのがあるって事は…」

小さく肯定する主はもそもそと言い訳のように俺に言う。

「…その…私は相手が出来ないから…皆さんのその…性欲を発散させるために…しかるべきところへ行ってもらってるし…」

「何故、主は相手が出来ないんだい?」

俺は思っていた疑問を率直にぶつけると、主は確実に固まってしまった。

「…えっと…それは…そのぅ…ええと…まだ…その…私は…したことがないので…」

それでも言いづらそうに、何度もどもりながら主は答えてくれた。

「つまりオトコを知らないって事?」

俺が聞くと苦々しい表情をしたものの頷く主。

やはりオトコを知らないという噂は本当だったか。

「俺は顕現したばかりでよくヒトのからだはわかっていない部分があるが、主は好もしいと思っている男士は居ないのか?」

主に、特別な思いを寄せる男士が居れば、そいつに睦み事を頼めば良い話しだ。

主が言いにくいならなんなら俺が頼んでも良い。

しかし主は首を横に振って、特に気になる男士は居ないと言う。

「だって…皆さん、神様でしょう…神様相手にそんな事考えるなんて不埒だよ…」
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