第30章 He is a NOT boy. 〔大和守安定/R18〕
「良い返事だね」
囁くような大和守の声は低く婀娜めいて、その声に雅のからだは反応してしまう。
「んぅ…っ…」
びくりとからだを一瞬緊張させるのを大和守は見逃さない。
「緊張して、どうしたの?」
そしてその手は、今度は太ももの外側から内側、内側から外側と撫で回し、その手の動きで少しずつ雅の息が荒くなってくる。
肝心なところに触れない触れ方に、からだの芯が熱くなってくる。
後ろから抱き締められ、大和守の体温もあがり心なしか息も荒くなってきていると感じながら、雅はこの状況に耐えられなくなっていた。
「…いじわる…しない、で…」
荒く吐く息をわかられないように、整えながら大和守に雅は言うものの、大和守は雅の状況を思った以上に冷静に判断していた。
「意地悪?してないよ…」
大和守の手は肝心なところの周囲を撫で回すだけ、それのどこが意地悪でないのだろう、と雅は思いとうとう雅は聞く。
「ど…して、ちゃんと…さわ、て…くれ、ない、の…?」
すると大和守の手が止まり、ひと息つけて大和守が反対に問う。
「ねぇ…ぼくのこと、どう思ってるの?」
思ってみなかった突然の問いに、雅は「ふぇ…?」と変な声を出してしまった。