第30章 He is a NOT boy. 〔大和守安定/R18〕
「ね…寝ちゃった…ど…どうしよう…」
膝の上で眠る大和守の寝顔は少年のようにひどく愛らしい。
その可愛らしさ故に雅は判断を間違えた、いや、大和守に踊らされる。
「このままじゃ風邪、ひくよね…よいしょ」
雅はゆっくりと膝の上から大和守を下し、布団の中に大和守の全身が入るようにからだを動かし、布団を掛ける。
「よし…と」
何か有るのかもと思いつつ何も無かった事に安堵し、雅は大きくため息をつき、自分は半纏でもまとっていようかと布団から離れようとした瞬間。
手を布団から引っ張られた。
後ろから布団に引きこまれそのまま抱き締められる。
「へ…ぁ…やま、との、かみ…起きて…」
驚きのあまりおかしな声が出てしまった。
「どこ、行くの?」
「いや、どこって、大和守に布団を譲ったから、半纏でも着て座って寝ようか、と…」
「そんな事、させない」
背中から更にきつく、寝たと思っていた大和守に抱き締められ、思った以上に広い背中と熱いからだに雅は全身が途端に熱を持ち出した。
『ちょ、っと、待っ…大和守はもっと少年じゃなかったの…?』
予想以上に「おとこ」を感じさせる大和守に、雅は全身で緊張し出していた。