第30章 He is a NOT boy. 〔大和守安定/R18〕
その寝姿を見て、大和守はこくりと小さく息を呑む。
加州が言っていたスタイルが良いのを隠している、という意味を理解したのだ。
着物姿の胸元はむっちりと豊かに丸みを帯び、腰は着物に皺が出来る程細く、そして尻はぱんと張り出して妖艶なからだつきを既に想像させる。
「…主…」
大和守が後ろ手に襖を閉めて声を掛けると、雅は小さくぴくりと反応し、それから思い切ったように顔をあげる。
その表情は今迄見た事の無い、頬を赤く染めた恋するおんなのものだった。
大和守はその緊張しきった主の表情を見ると、反対に余裕を持ったのかくすりと口の中で笑い、笑顔を見せながら主の前に腰をおろした。
「やだなぁ、主、そんなに緊張しちゃって」
いつもの調子で大和守が声を掛けると、息を呑んだ雅は少し肩のちからを抜けたようだった。
「そん…な…っ…緊張しない…ほうが…」
それでもまだがちがちに固まったまま雅は大和守に言うと、大和守はころりと突然雅の膝に頭を乗せながら横たわった。
「うぇ…?」
更に固まる雅に向かって、片目を開けた大和守は笑顔で言う。
「主の膝、暖かくて柔らかい。このまま寝ようかな」
「え…えぇ…?」
困惑する雅をよそに、大和守はすうすうと寝息をたて始めた。