第30章 He is a NOT boy. 〔大和守安定/R18〕
-話しは戻って、先日大和守が加州と話しが出来なかったその少し後の事。
「それって主も意識しているね」
加州が大和守の話しを聞いて、あっさりと答えを突き付ける。
「好き…ぼくを…そう、なのかなっ…でもあの清光や燭台切さんに注意されてばかりのおんなだよ。どうしてあんながさつなそんなおんなが…っ」
大和守も自分を信じず、加州が人差し指を一本大和守に向けて言い放つ。
「あのねぇ、理由なんて無いんだよ。好きになったら好きになった、なの。もっさりしてるけどイイおんなじゃん、さっさと手を出しておいたほうが良いよ」
「手を出すって…清光…俺に何を…」
「あの主、わざとああいう恰好してるんだよね、本当はなかなかイイおんななのに。あれは刀剣男士である俺たちが手を出させないようにするために、ああいう恰好して誤魔化してるとみたね」
加州は何故こうもおんなの心に詳しいのだろう、内心大和守は思いながら問う。
「どうして清光はイイおんなってわかるの?」
「どうしてって…まず何度注意しても変えようとしない恰好。本当はスタイルだって良いのに、隠すようにだぼだぼのジャージ着ているのは、俺たちに主をおんなとして興味を持たせないためだよ。しゃれっ気も化粧っけも無いのは全部それ。安定、全然気付かなかったの?」
「うん。清光が注意しても全く直さないから、そういうのが好きだからなんだと思ってた」
「あの主がうといのは、刀剣男士と審神者の間で恋に落ちる事があるって事だよ」
清光がさらりと言ってにこっと笑って言う。
「でもあの主、安定だけは態度が微妙に俺たちとは違うんだよねぇ。だから安定、がんばれ」