第30章 He is a NOT boy. 〔大和守安定/R18〕
「あのっ…主、何かぼくに言いたいでしょう?」
突っ伏した雅はその言葉にぴくりと肩を揺らす。
「そんなにぼくが…嫌いなんだね…」
大和守の言葉にがばとからだを起こす雅は、そして大和守をおろおろとした表情で見る。
「ちっ…違う…違う…そうじゃなく、て…」
大和守は雅の顔を見つめる。
「…そうじゃなくて…ええと…その…反対…だってば…」
そっぽを向いて主の言う言葉を、咀嚼するようにまゆを寄せて意味を考えながら聞く大和守は、意味を理解すると声を少し震わせて言う。
「それは…ぼくが好きだって、こと…?」
大和守の言葉に一瞬動きを止める主は、そっぽを向いたまま答える。
「…そう…だってば…」
大和守は瞬間、主に飛びつきたくなるものの、その場で何事もないように答える。
「…ふぅん、そうなんだ…主…貴女はぼくを…」
「…笑いたければ笑えば良いでしょ。私だってまさか…神様相手に…まさか…」
自信の無さかだんだんと声の小さくなる雅に、大和守は続けて言う。
「…今夜…部屋に行くから」
雅が大和守を振り向いて見るのと、大和守が立ち上がり部屋を出るのが同時になり、雅が大和守がどんな表情をしているのかわからなかった。