第30章 He is a NOT boy. 〔大和守安定/R18〕
態度を変えた大和守に審神者は一瞬戸惑う。
「そんな事言わないで教えて?」
雅は慌てて大和守へ頼む姿に、大和守はふといたずら心が沸く。
「そんなに知りたい?」
「うん、何か大切な事見落としているなら、ちゃんと知って演練の時に対応するから」
『ああ、やっぱり真面目な事しか考えてないか』と、大和守は内心少しがっかりする。
ふぅと一度ため息をついた大和守は、仕方ないか、といった体で口を開く。
「あのね、演練行って、他の本丸の審神者と男士でやたら仲が良いな、と思った事、無い?」
「んん…?」
大和守に言われた事を思い出そうとするのか、まゆを寄せて目線を上にあげて雅は考え、しばらくして思い当たる事があったのか、「あっ」と小さく声をあげて大和守を見た。
「言われてみれば…そういうの見た事ある…ずいぶん仲良しなんだなって思っただけだけど」
「あのさ、それ、審神者と男士が恋仲になっているとは思わなかった?」
大和守がずばり言うと、雅は口をあんぐりと大きく開け、言葉が出ない状態だった。
「え…は…えぇ…?神様と人間が恋…嘘ぉ…」
「ぼくたちが神様っていわれても、こうして顕現している姿はヒトと一緒だよね?そうすると基本的にヒトと一緒なんだよ。だから食事を摂るし睡眠も取る。せいぜい違うのは刀本体が折られない限り俺たちは死なない」
腕組みをして大和守は一般論を言うと、腕組みをしたままテーブルに腕を置いて続けて言った。