第6章 愛は咲く 〔一期一振/R18〕
一期一振が渡った時代へ到着し、私はこんのすけとこの時代の本丸へ行く。
「雅様、時の政府から依頼があります」
こんのすけが厳しい顔をして、歩く私に言った。
「…どういう事?」
こんのすけが話し出した。
「今から行くこの時代の本丸の審神者ですが、いろいろ悪行の噂が絶えません。ですが時の政府はこの悪行についてどういう訳だか全く裏が取れず、この審神者を処分する事が出来ずにおりました。今回こうして雅様が時を渡ってまで刀剣を迎えに行くのを許可されたのは異例の事で、それは何としても今回この審神者の尻尾を掴み、処罰に持っていきたいのです」
「…つまり、私を隠れ蓑にして、処罰する案件をこんのすけが探す、という事なの?」
「そうです。ですからなるべくここの審神者と関わるようにして、私が動ける時間を稼いでください。とにかく、審神者が好き勝手にしているようでは、この時代に顕現した刀剣が気の毒ですし、なにより敵に狙われやすいのです」
「私は一期一振と帰りたいだけ…だけどこうしてこの時代に来させてくれたから、出来る限り協力するよ」
「ありがとうございます、雅様」
見えてきた本丸に入り、既に連絡は届いていたらしく、案内の刀剣によって私は中へ通され、この時代の審神者に挨拶をする。
「この度は、当本丸の一期一振がお世話になりました。迎えに参りました」
手に持っていた風呂敷包みを開き、ここに来る前に万屋で買った菓子折りを渡す。
この時代の審神者は、私より年上の、何ともグラマーで色っぽいという表現がぴったりな、妖艶な美女だった。