第29章 Happy Halloween ! 〔伊達組〕
鶴丸も参ったな、といった表情で後頭部を掻いて苦笑する。
「それにしても、こっちの光坊のプリンは美味いな、な、伽羅坊?」
「ああ、美味い」
向こうの鶴丸と大倶利伽羅の言葉に、太鼓鐘が満足そうに頷く。
「そうさ、うちのみっちゃんの料理は何でも美味いんだ」
「ま、いつか俺たちのところにも遊びに来るといいさ。俺たちのところの光坊もなかなかだからな」
燭台切の料理の腕前を褒めつつ、七味唐辛子入りのプリン以外は完食となる。
「さすがにこれは食えんぞ」と鶴丸の言葉に、またみんな笑った。
「さ、食い逃げのようだが、俺たちはそろそろ帰る事にしよう」
鶴丸と大倶利伽羅が立ち上がり、こちらの三振りも立ち上がる。
「入り口まで送ろう」
大倶利伽羅が言い、五振りで玄関から出ようとすると、燭台切が急いで走って来た。
「あ、良かった、部屋を覗いたら居なかったから…おみやげ持って行って」
「はい」と鶴丸に手渡したのは紙袋で、何だろうと覗くとクッキーが入っていた。
「かぼちゃクッキーだよ。急いで作ったから形はいびつなんだけど味は保証するよ」
燭台切の柔らかい笑みと言葉に、鶴丸は礼を言いながらも茶化すのは忘れない。
「おう、これは美味そうだ、ありがとう。ちなみに七味は入ってないだろうな?」
燭台切は「これには入ってない」と頭を左右に振った。