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刀剣純情伝 《刀剣乱舞/短編集/R18》

第29章 Happy Halloween ! 〔伊達組〕


何事かと全員で鶴丸を見やると、喉を押さえて鶴丸が転げまわる。

「み…み、ず…くれぇ…」

大倶利伽羅がすぐ鶴丸を抱えてコップの水を渡すと、ものすごい勢いで水を流し込み、そしてぜぃぜぃと息を荒く吐き、しばらくしてようやく鶴丸が口を開く。

「なんだ、このプリンは…驚かせすぎだぜ…辛い…辛すぎる…」

「辛い?」

何故甘いはずのプリンが辛いのだろう、しかし太鼓鐘が後ろを向いて、肩をぶるぶると震わせて笑っているのがわかった。

「貞坊、彼に何をした?」

向こうの鶴丸が笑っているらしい太鼓鐘に声を掛けると、太鼓鐘は笑いをこらえたままゆっくりと振り向き説明した。

「実はプリンを作っていたら、粟田口がやって来て、乱と包丁にいたずらした鶴さんに仕返ししたい、となってさ、彼等が鶴さんのプリンに七味唐辛子を大量に仕込んでいったんだ」

「…仕返しかぁ…まさかな…驚きだぜぇ…伽羅坊、水をもう一杯くれ…」

ちからなく鶴丸が大倶利伽羅に水を求め、大倶利伽羅は水を注いでコップを渡した。

「おお、ありがとう…」

また水を流し込む鶴丸は、口の中の熱が少しは引いたのか、少し口調を戻らせる。

「ああ…口の中が熱い…火が吹けそうだな…本当に火が吹けたら、驚かせてくるんだが…」

「やめておけ、また一期一振に怒られるぞ」

間髪入れずに大倶利伽羅に注意される鶴丸に、とうとう全員が笑い出した。
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