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刀剣純情伝 《刀剣乱舞/短編集/R18》

第29章 Happy Halloween ! 〔伊達組〕


「これは…いったい…鶴丸殿と大倶利伽羅殿が何故二振りおられる…」

一期に続いて、包丁と乱が「あっ!」と気付いて口々に言う。

「わかった!だからぼくたちを驚かせられたんだね!」

「どういう事ですかな?」

包丁と乱の言葉に一期の表情が厳しくなり、正座する六振りは『まずい』といった顔をする。

「待たれ、一期一振。怒る前に彼等の話しをお聞き」

すかさず一段高くなり薄い御簾の奥に座る審神者が声を掛ける。

一期一振がその場に座り、包丁と乱もその隣に座るのを見て、一期が口を開く。

「私はただ、主殿に包丁と乱を連れてこちらに来るように言われただけです。一体何が有ったのか…たった今、この子たちから『驚かせられた』という言葉も聞きましたが、この子たちに何をしたのですかな?」

口調は丁寧なものの、弟たちが絡むと途端に我を失う一期一振の問いつめに、六振りは顔を見合わせ、元はと言えば、と燭台切が口を開く。

「実はぼくと貞ちゃんが万屋へ買い物に行ったところから始まったんだ」



筋道たてて燭台切が万屋での事を話し、そしてこの本丸で起きた事について鶴丸が引き継いで話すと、一期がまゆを寄せて厳しいものに表情を変える。

「つまり…包丁と乱にちょっかいを出し、驚かせて気絶までさせてしまった、という事ですな。皆様、私の弟たちに何をされたか…お覚悟」

いきなり自分の刀を顕現させ、抜刀までしたのだから六振りに包丁と乱も仰天して、包丁と乱は両側から一期に抱き着き『いち兄、そこまでしないで』と懇願し、六振りも一期に謝る状態となった。

この状況に審神者は何も声を掛けず、御簾の内からただ黙って見ているだけだった。
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