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刀剣純情伝 《刀剣乱舞/短編集/R18》

第29章 Happy Halloween ! 〔伊達組〕


「食い意地はってるぜ」

太鼓鐘が笑いながら言うと、鶴丸も笑って答える。

「美味い茶と菓子、両方口に出来るなら、四振りで行くのが一石四鳥というものだろう」

「…一石二鳥だろう。間違って覚えるな」

大倶利伽羅がぼそりと訂正を入れるものの、鶴丸は全く気にしない。

「いいじゃあないか。二鳥でも三鳥でも四鳥でも。俺たちの四振りが効率よく行動出来るのは、一緒が一番だろう?」

そしてお盆へ手を伸ばして菓子を食べようとする鶴丸に、燭台切はぴしゃりと言う。

「鶴さん、お菓子はもうだめだよ。ぼくは厨に行くけれど食事の時間が近いからね。伽羅ちゃん、貞ちゃん、鶴さんにお菓子あげちゃ駄目だよ?」

「わかった」

「わかったよ、みっちゃん」

二振りから了解の返事をもらって、燭台切は食事を作りに厨へ行き、鶴丸はテーブルに顔を突っ伏した。

「なんだよぉ…二振りとも光坊の味方になってさ…俺の味方はいないじゃないか…」

鶴丸の頭を撫でながら太鼓鐘がにしし、と笑う。

「鶴丸さん、みっちゃん怒らせると怖いの知ってるだろ?俺、みっちゃん怒らせたくないから、みっちゃんの言う事を聞くぜ。でも、鶴丸さんも気の毒だから、一個だけあげる」

はい、と反対側の手から個装された菓子が渡されて、鶴丸はぱあっと顔をほころばせる。

「やぁ、ありがとう、貞坊。やっぱり貞坊はいいこだなぁ。伽羅坊、この事秘密だぞ」
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