第29章 Happy Halloween ! 〔伊達組〕
「たっだいまーっ、お菓子もらっちゃったー」
すぱんと襖を開けると太鼓鐘は満面の笑みで部屋へ入る。
「おかえり」
鶴丸が太鼓鐘の持つ菓子が山盛りになった盆を見て、表情を輝かせる。
「おう、貞坊、良いもの持ってるな」
「鶴さん、食べる?良いよ、鶯丸さんと大包平さんからもらったんだ」
「鶯丸さんたちから?珍しいね、貞ちゃん」
燭台切が目をぱちくりしながら聞くと、太鼓鐘は盆をテーブルに置きながら言う。
「ハロウィンの飾りつけの手伝いをして、終わったら大包平さんに誘われたんだ」
「良かったね、貞ちゃん」
燭台切が言うと、太鼓鐘は思い出したように言う。
「みっちゃん、鶯丸さんの淹れてくれたお茶、みっちゃんの淹れてくれるお茶並みに美味しかったぞ。俺、驚いた」
「鶯丸さんのお茶が?へぇ、そうしたら今度、ぼくもいただきに伺おうかな」
興味深そうに燭台切が答え、鶴丸が後に良い事を思いついたと笑いながら続く。
「じゃあ、俺も行こう。いっその事伽羅坊も貞坊も一緒に四振りで行けば良い」
「鶴さん、話しがおおごとになってるよ。ぼくはただ美味しいお茶の淹れかたを、教えてもらおうと思ってるだけなんだけど…」
「その美味しいお茶の淹れかたを習ったら、披露してもらうために俺たちも行くんだ。良い考えだろう」