第29章 Happy Halloween ! 〔伊達組〕
「ありがとう」
太鼓鐘は素直に返事をして、鶯丸の用意してくれた座布団に座ると、鶯丸は手馴れた風にきゅうすに湯を注ぎ、湯呑を暖めて、それから大包平と太鼓鐘へお茶を出してくれた。
「いただきまーす」
茶菓子も置かれてほくほくの太鼓鐘は、茶をすすり、驚いた顔をした。
「うわ、このお茶美味しい…!みっちゃんが淹れてくれるみたいだ」
太鼓鐘の表情に鶯丸は満足そうな顔をする。
「お茶、美味しいかい?それは良かった」
しばらく三振りでいろいろと話しをし、太鼓鐘は鶯丸と大包平の刀の由来を聞いたりした。
「お茶、ごちそうさまー」
お茶のお代わりを聞かれるが、太鼓鐘は部屋を下がるきっかけにして伊達の部屋に戻る事にする。
「これを部屋に持って行くと良いよ」
そう言って鶯丸は、お盆の上にいろいろなお菓子を山積みにしてくれる。
「伊達刀で食べるといい」
大包平が豪快に笑って持たせてくれた。
「ありがとう、ごちそうさま」
太鼓鐘はちゃんと御礼を言って、伊達刀の待つ部屋へ戻る。
さすが伊達政宗の刀であって行儀は良いな、と鶯丸と大包平は見送りながらそう思った。