第29章 Happy Halloween ! 〔伊達組〕
鶴丸はニシシと笑い、他の驚きも突然提供しそうな勢いをみせるので、大倶利伽羅が苦い顔をして止める。
「余計な事はするなよ。他の本丸から来るやつらに迷惑になるだろう」
「わかってるよ、あっちの本丸のやつには何もしない。でもここの本丸のやつらにいたずらするのは構わないだろう?」
鶴丸は大倶利伽羅や燭台切の心配をよそに、一振りで出来るハロウィンのいたずらを考え出し、大倶利伽羅と燭台切はその鶴丸に「はぁ」と、困ったやつだ、と言わんばかりのため息を、顔を見合わせてついた。
「手伝いありがとう」
太鼓鐘はそんな三振りが部屋で話しをしている頃、飾り付けの手伝いをしていて終わったところだった。
「俺たちの部屋でお茶でも飲んでいくかい?」
大包平に誘われ、太鼓鐘は部屋へ行くと、大包平の部屋には鶯丸が座って一振りで湯呑を持ってお茶をすすっていた。
「鶯丸は手伝いはしなかったのか?」
大包平が問うと、鶯丸はゆったりとした笑みを浮かべて返事をする。
「ああ、じいさんは手伝いの邪魔になりそうだったのでね」
見た目は若い青年でしかない鶯丸は、そう答えるとまた湯呑を口に運ぶ。
「刀の年齢が古いからって、すぐ自分をじじぃと言うのは良くないぞ」
大包平が腰に手をあてて言うと、鶯丸は丁寧に反論して太鼓鐘に気が付いた。
「それを言ったら三日月もそうじゃあないか。いつも自分をじじぃじじぃと言っている。俺もそれに倣っただけだよ…おや、太鼓鐘。菓子があるよ、一緒に茶を飲もう」