第29章 Happy Halloween ! 〔伊達組〕
燭台切は件の事を二振りに伝える。
「へぇ、他の本丸の俺がいたずらしに来るのか。面白そうだな、俺は乗る」
「鶴さんならそう言うと思ったよ」
楽しそうに答えた鶴丸に、燭台切は苦笑して答え、大倶利伽羅も口を開く。
「俺が嫌だ、と言っても、既に確定して動いているんだろう?」
「あー、えっと、うん、実は、そうなんだ」
大倶利伽羅の問いに燭台切りは「ごめんね」と言い、大倶利伽羅は小さく息を吐くと言う。
「それなら諾と返事をするしか無いって事だろう?」
素直に応じる大倶利伽羅に、燭台切は目を丸くする。
「伽羅ちゃん、ありがとう」
「俺が受けないと、他の刀たちを驚かせられなくなるのだから…仕方ない」
燭台切は相当反対に遭うだろうと思っていた大倶利伽羅から、あっさり承諾を得られ満面の笑みを見せる。
その笑顔を眩しいものでも見るように、大倶利伽羅は燭台切を見た。
「…あんたもノッたクチだな」
「う…ごめんね…」
謝る燭台切に大倶利伽羅は肩をすくめて言う。
「一度決まった事に反対はしない」
その言葉に被せるように、鶴丸が「楽しみだな」と笑いながら言った。