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刀剣純情伝 《刀剣乱舞/短編集/R18》

第29章 Happy Halloween ! 〔伊達組〕


「歌仙くん、遅くなってごめんね」

厨に顔を出しながら燭台切は歌仙に謝ると、歌仙は野菜の皮を剥いていた手を止めて、燭台切を見た。

「帰りが遅くなるなんて珍しいね」

「うん、実は万屋でね…」

燭台切は、演練で良い戦いをした相手を見掛け、一緒にその作戦と戦い方について話しをしていた、と説明する。

「へぇ、きみがそんなに褒めるなんて、相当洗練された戦い方だったんだね」

歌仙は野菜の皮を剥きながら、燭台切の話しを聞く。

燭台切は買ったものを袋から出しながら、大倶利伽羅が立てたその作戦について歌仙に話すと、歌仙はしばらくしてくすりと笑う。

「えっ、何っ、ぼく、何かおかしな事、言ったかな」

野菜を切りながら笑う歌仙に、燭台切は焦った様子を見せるものの、歌仙は穏やかな表情で燭台切を見た。

「余程その大倶利伽羅との話しが弾んだんだね。とても楽しそうだ」

「あ…うん、有意義な時間だったよ…ってこんなにはしゃいで、かっこ悪いな」

恥ずかしそうに言う燭台切に、歌仙はくすくす笑う。

「いや、きみもそういう可愛らしいところがあるんだな、と思っただけだから気にしないでくれ」

歌仙の言葉に燭台切は目を丸くすると、歌仙は更にはははと笑い出し、燭台切は顔を赤くして片手で自分の顔を覆った。
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