第29章 Happy Halloween ! 〔伊達組〕
「よし、『ハロウィンに俺と伽羅坊が増えてドッキリ作戦』やるぞ」
鶴丸がこぶしを握り嬉しそうに言う横で、大倶利伽羅が「なんだ、その作戦名は」と言わんばかりの表情を見せる。
その二振りを見て太鼓鐘は笑い出し、そして何かを思い出したように声をあげる。
「ほーんと、うちの二振りと似ているけれど違うよなぁ。うちの伽羅はここまでノリは良くない…あ!」
三振りが一斉に太鼓鐘を見る。
「思い出した。みっちゃん、うちの伽羅、ノリ悪いけど、これノッてくれるかなぁ?」
思い出したように燭台切も片手で口を覆い「あー」と一言押し黙る。
「…鶴さんにがんばってもらうか…」
燭台切は責任を鶴丸に押し付ける発言をし、この件はとりあえず解決する。
「それじゃ、ハロウィン当日、俺たちがまずそっちに行くから頼んだぜ」
鶴丸が片手をあげて「頼んだ」と言いつつ二振りが去り、燭台切と太鼓鐘も自本丸へ戻る。
「さて、鶴さんにまず話して、鶴さんから伽羅ちゃんに頼んでもらうかな。ぼくたちはこっちの本丸のハロウィンの準備を手伝って、目くらまししておかないとならないからね」
太鼓鐘を見てにっこり笑う燭台切に、太鼓鐘は内心『みっちゃん、結構鶴丸さんにえげつない』と思うのだった。
本丸に戻ると加州や大和守がてきぱきと飾り付けに動き回っていた。
「あ、帰ってきた。歌仙がまだかーって腕組みしてるよ」
二振りを見て加州が教えてくれる。