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刀剣純情伝 《刀剣乱舞/短編集/R18》

第29章 Happy Halloween ! 〔伊達組〕


二つの本丸の距離は二時間もあれば十分移動出来る距離だとわかる。

「ずいぶん近いところに互いの本丸があるなんて知らなかったな」

鶴丸が地図を見ながら指でトン、と自分の本丸の位置を示す。

大倶利伽羅は自分の本丸の位置を明らかにする鶴丸に言う。

「おい、本丸の位置を明らかにするもんじゃないだろう…」

その二振りの様子を見て、燭台切は間に入るように言う。

「きみたちの本丸がそこなら、ぼくたちの本丸はここだよ。二時間もあれば十分移動出来る距離だよね」

ふたつの本丸の間には山も川も森もなく、地図で見る限りは平たんな地面のようだった。

「特に山も川も無いのなら、山伏さんあたりなら30分で移動出来そうだよね」

自分の本丸の山伏国広を思い起こしたのか、鶴丸が下を向いて肩を揺すらせ、どうも笑いをこらえているようなのが見て取れた。

「ああ、そうだな貞坊、山伏あたりならあっという間に到着しそうな地図だよな」

笑いながら鶴丸は言い、そして途端にぴたりと笑うのを止めて、真剣な表情に変えて太鼓鐘を見た。

「この地図は何もわざと書いてない。だから本当は二つの本丸の間には必ず何かあるはずだ。そう簡単に本丸同士で行き来出来るわけ、ないだろう?」

鶴丸の言葉に息を呑む太鼓鐘。

「ま、俺と伽羅坊なら、そっちへ行くのは苦でもないがな。そっちがこっちに来るのはどうかな」

挑発とも思えるような発言に、太鼓鐘はかちんときて言い返す。
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