第29章 Happy Halloween ! 〔伊達組〕
「さ、早く買い物、してしまおう。加州くんたちもこれを待っているだろうし」
燭台切が切り替えるように言葉を発し、太鼓鐘とリストのものを集める事に集中する。
「えっと…お菓子をたくさん、か…」
リストの最後を見て太鼓鐘が呟く。
「包丁を連れてくれば良かったかな?」
それを聞いて燭台切は慌てたように言う。
「それは駄目だよ。粟田口の子たちに知られたら、それこそこっそり準備している主たちに悪いからね」
つまりは粟田口の短刀たちが主役なんだな、太鼓鐘は気付く。
その太鼓鐘の表情に気付いたのか、燭台切はぽん、と太鼓鐘の頭を軽く撫でる。
「貞ちゃんも粟田口の子たちのように黙っていて欲しかった?」
太鼓鐘は目をぱちくりさせてから、燭台切の言いたい事に気付いてにやりとする。
「俺が短刀だからってあんまりちび扱いしないで欲しいな。俺はみっちゃんたちと一緒に過ごしてきた伊達の刀なんだから」
「そうそう、その意気だよ」
燭台切に言われ、お菓子を選ぶ太鼓鐘は、そうして数種類の菓子の大袋を選んでカゴに突っ込んだ。
「これで全部?」
「えーと、これ、あれ、それ、と…うん、全部だね。じゃお会計して戻ろう」
レジに並ぶと前に並んでいた男士が偶然振り向き、燭台切が目を見開いた。