第29章 Happy Halloween ! 〔伊達組〕
そんな自分の本丸でも実際に有りそうな様子を見掛けた太鼓鐘が、目を輝かせて言う。
「なぁ、みっちゃん、どこの本丸も同じようなものなんだ?面白いねぇ」
「ふふっ、貞ちゃん、それってぼくたちの本丸の誰かもここで何かしらやっていたら、他の本丸の貞ちゃんに面白いって言われているかもしれないって事だよ?」
燭台切に言われ、自分たちも言われる立場にあるという事に改めて気付く。
「あぁそうか!せっかくだから俺、他の本丸の俺に会ってみたいよなぁ。みっちゃんは他の本丸の自分に会った事は有る?」
「うん、万屋ではなく、演練の時にね。実際闘う事はなかったけれど、待っている間にね」
「ふぅん、それってどんな感じに思うの?」
太鼓鐘は益々興味津々と言った表情で問う。
「いや、別に何も思わないよ?あちらはこちらをどう思ったかもわからないけれど、少なくともぼくは、他の本丸のぼくがどういう戦いかたをするのか、そして部隊の中でどのような立場にいるのか、興味を持ったのはそこだけ」
燭台切の興味を持った部分に、太鼓鐘は「へぇ」と目を丸くした。
「何か、意外だなぁ。みっちゃんがそういう部分を気にするなんて思わなかった」
太鼓鐘が驚いたように言い、燭台切も反対に意外そうな表情を見せる。
「そうかい?一応武器だからね。戦い自体に興味が無い訳じゃないんだよ。普段あまりそういう所は見せないようにしているから、そう思われているのかな」
穏やかなところしか普段見せない燭台切の武器として姿を見せた一面に、太鼓鐘はやっぱりみっちゃんは漢だな、かっこいいと感嘆した。