第29章 Happy Halloween ! 〔伊達組〕
「そういう事か。ま、俺としてはアイスを買ってもらえるなら手伝いはどうって事ないし」
二振りで万屋へ行くと、現代と変わらないかぼちゃのお化けがディスプレイされた店内で、各本丸から来たらしい男士たちが買い物をしていた。
「あれ?みんな、ハロウィンの買い物かな」
燭台切は店内を見回して言い、太鼓鐘は燭台切の袖を引っ張り、買うものはあっちだ、と教える。
「みっちゃん、買うもの、あっちだよ。こんなに買い物客が来ていたら、早く買わないと売り切れちまう」
「ああ、そうだね、えーと、買う物は…」
太鼓鐘がカゴを持って来て、リストに書かれたものをカゴに入れていく。
すれ違う他の本丸の男士も、似たような事を言いながら買い物をしているのがおかしい。
「ねぇ、主さんが気に入るのって絶対こっちだよ」
「違うよ、こっちだよ、俺が言うんだから絶対こっち!」
「乱、鯰尾、やめなさい。ここでケンカをするものではありませんぞ」
こっちではどこぞの乱と鯰尾が買うものはこっちが良いと言い争い、そこを一期が止めている。
「愛染、あれにしまひょか」
「えー、あれじゃあなぁ。こっちは?」
「どっちでも構いまへん…」
「もー、明石、しっかりしてよー」
あちらではどこかの明石と愛染が、買うものを決められなくて面倒くさがっている様子が見られた。