第27章 かくれんぼ 〔加州清光/R18〕
引きずり込まれたのは、その部屋の押し入れ。
布団は干しているらしく、中はがら空きで、私を押し込むと加州くんは押し入れの襖を閉めた。
閉めた途端、乱の声が途切れ、ぱたぱたと音がし、私が入った部屋の襖が開く。
「んー、さすがにここには居ないかな」
乱の声がし、加州くんが「どうしたの?」と聞くと乱が「かくれんぼしてるんだ」と答え、すぐ「ここは居ないかな、ありがと」と声がし、また襖の締まる音がして乱が去る足音が聞こえた。
とりあえず逃げられたと息を吐くと、目の前の襖が開き加州くんも入ってきた。
「かしゅ…んっ…」
ここじゃすぐ見つかっちゃう、と言おうとしたら唇を指で塞がれる。
指で塞いだ加州くんの顔が近付き、その指が唇から離れる。
唇が自由になった、と思うと、加州くんの顔が更に近付き、唇を唇で塞がれた。
加州くんのほっそりした手が私の後頭部に回り、私を離さないように押さえつけ、唇の間から舌が入り込み、私の舌を掴まえる。
舌で口内をなぞされ、からだの中が熱くなってぞくぞくと粟立つ。
押し入れの暗い中、私たちの舌が動きあい、くちゅくちゅと音だけがする。
どうしよう、これだけでからだがもっと刺激を求めてしまっている。
ようやく唇を離されうっすらとした光の中、銀糸が光る。
加州くんの手が私の頬を撫で、ふふ、と小さく笑いながら言った。