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刀剣純情伝 《刀剣乱舞/短編集/R18》

第26章 小さな愛を育つ 〔山姥切国広〕


「だから、好きとか嫌いとか、まんばくんは気にしなくて良いよ。私の勝手な思いだから」

「そうではない」

俺はすかさず否定する。

「俺が主の相手になれるなら俺は嬉しい。だけど俺は主にあれこれ無理強いするつもりはないぞ」

俺の言葉に、あちこちうろうろとしていた主の目線が止まる。

一点だけをじっと見つめて、そのままの状態で言った。

「…無理に、その…しない…?」

「主が良いと言うまで俺は待つ」



俺の言葉の何がおかしかったのかわからないが、俺の発言を聞いた主は小さく笑い、そしてようやく俺を見た。



「まんばくん…貴方が好きです…私を待っていて欲しい…」

その真剣な主の目に、俺は嫌だとは言えない。



「あぁ…俺が主が抱けるのを待って欲しいと言う事か」



「やだ…そんなあからさまに言わないでよ…」



俺の言った事にぷいと横を向く主。

俺はつい可愛くて主に近寄り抱き締める。

「これくらいは許してくれるだろう?」

主は抵抗せず俺に抱き締められているが、そのからだからばくばくと早鐘のように鼓動を感じられた。
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