第26章 小さな愛を育つ　〔山姥切国広〕

「…だからっ、そうなったら、恥ずかしいし…その…私のからだにがっかりするんじゃないかって…」

俺は主が自分に自信が無いからこその発言に気付く。



「他の刀がどう思うかは俺にはわからないが、むしろ主を自分の思うように出来るから、がっかりするより喜ぶのではないか？」

「…まんばくんなら…そうなら喜ぶの？」

俺が引き合いに出され何故だろうと思いながら、主の言葉に頷いた。

「俺なら嬉しい。主を俺の思うままに育てられる」

答えると主は目線を下に這わせた。

「じゃっ…じゃあ…いい、よ…まんばくんの好きなようにしても…」

俺は主の言った事にぽかんとし、何故俺が主を好きにして良いのか、と不思議に思った。



しかしすぐ俺は内容を理解して問うた。

「主はもしかして、俺が好きなのか？」

俺の言葉は更に赤くなる主は怒ったように答える。

「どうして、そういう事を、さらっと聞くんだろうね…そうだから言ったんだけど…でも…気にしなくて良いよ」

俺の言葉を肯定したものの、気にしなくて良いと言う主に、俺は一体どうすれば良いのか顔をしかめた。

「主の言ってることが矛盾していて、俺には理解出来ないのだが…」

すると主は目線を違う方向へ向けたまま言う。